あるオタクのAが、新しいキャラαにハマった。とても大きなジャンルで、ピクシブにもツイッターにも毎日のように供給があった。Aは供給の多さに感謝しながらαを愛でていた。あまりにも妄想が進みすぎて、時折「このαは原作と離れすぎではないのか」と自問自答する時もあったが、自分なりの解釈として消化していた。 しかしある日、複数のジャンルで名を上げていた同人作家Bが「このキャラがこんな性格だったらおもしろいな」と、もう一つの解釈の元に作品を生み出した。αの性格は、Aの妄想と逆のベクトルでデフォルメがかかっていた。Aは「ちょっと苦手だなあ。私の解釈とは合わないや」と同人作品をスルーした。 ところがその同人作品は、オタク間で大流行した。極端に改変された性格に滲むアクの強さが、多くの人間にウケたのだった。B一人が打ち出した解釈は瞬く間に広まり、同人の中でのαのポジションは確立された。 大いに嘆き悲しんだのがA
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