もともとは赤の他人。「縁を切りたい」と言われても仕方がないかもしれない。ただ、これだけは言いたい。だったら財産を置いていけ!――いまこんな問題が全国で頻発している。他人事ではない。 「もう赤の他人ですから」 「27歳で息子を出産してから30年近くにわたって夫の両親と同居してきました。当時、私が看護師として働いていたので、『仕事と育児の両立は大変でしょう。私たちが面倒を見てあげる』と言われて、その気になったのが間違いでした。その後の同居生活で積もり積もった不満は、一言では言い表せません。 昨年の春、夫が仕事中に交通事故に遭い、亡くなりました。四十九日の法要で、夫の姉妹たちに『これからも両親をよろしくね』と言われたので、『残念ながら、もう親族ではないので、それはできません』とはっきり伝えたのです」 こう語るのは、神奈川県在住の津田裕子さん(55歳、仮名)。津田さんは昨年亡くなった夫と一人息子を