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ブックマーク / kasasora.hatenablog.com (2)

  • 作文が終わらない - 傘をひらいて、空を

    七つの女の子と話をしていたら、作文が終わらなくて困っているという。彼女は小さい子にしては要領よくしゃべるんだけれども、なにしろ七歳は七歳なので、話がくどい。しかもしょっちゅう脱線する。最後まで聞いて推測するに、どうやら何を書いて何を省くかがわからないので作文が長くなっている、ということらしかった。 学校の授業の作文で七五三の話を書くことにして、けれども原稿用紙六枚書いてもまだ、当日の朝ごはんが終わらない。メニューとその匂い、湯気のようす、パンの焼き加減の好みに関する主張で六枚目が終わってしまった。今までのぶんを捨てて書き直すべきか、という意味のことを、彼女は言う。読ませて頂戴と言うと、ずいぶんとはずかしがってから、結局読ませてくれた。 八枚切りのパンを焦げるぎりぎりのところまで熱してからバターを塗り、しみこませてべる、ジャムはパンに塗るべきではない、ヨーグルトにいっぱい入れたほうがいい、

    作文が終わらない - 傘をひらいて、空を
    natsubi
    natsubi 2012/04/14
    おもしろい
  • 新しいから傷つける - 傘をひらいて、空を

    友だちの家のPCの動作がおかしいというので見にいった。だいぶ古くて起動に十分もかかる状態だったので、さしあたり彼女が必要としているDVDの再生ができるようにクリーンインストールすることにした。 彼女の仕事用の携帯電話が鳴り、彼女は私にことわって出た。はい、いつもお世話になっております。いえいえ、はい、なるほど、担当がそのようなことを申しましたか。 彼女は五分ほど電話で話しつづけた。ほとんどは相槌だった。いろいろな種類の、さまざまな重さの、一定以上の温度を保った相槌だ。彼女はそのあと、仕事にしてはいささか親しげに短く笑って、いいえ、いいんですよ、と言ってから電話を切った。 私はBIOSを確認し、それを覗いた彼女はなんだか怖そうな画面、とつぶやく。怖くないよ、これはWindowsの下に入っているソフトなんだよと私は説明する。 ディスクがかりかりと音をたてて書きこみをはじめる。私は彼女の出してく

    新しいから傷つける - 傘をひらいて、空を
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