熊谷直実(1141-1207)は、熊谷次郎直実ともいいます。、 『平家物語』や『吾妻鏡』に登場し、歌舞伎の『一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)』、能の『敦盛(あつもり)』にも出てくる天下無双の関東の武士でした。 一ノ谷の合戦で平敦盛を討ち取って手柄をあげますが、その後、法然上人のもとへ出家し、生きている時に変わらない幸福に救われます。 一体何が起きたのでしょうか? そして、親鸞聖人とはどんな関係があったのでしょうか? 熊谷直実の生い立ち 熊谷直実は、 1141年に武蔵国(現在の埼玉県熊谷市)に生まれます。 熊谷氏は、平氏の家柄を名乗り、お祖父さんの盛方は、京都で上皇を警護する北面の武士でしたが、天皇からのとがめを受けて殺されてしまいました。 お父さんの熊谷直貞は、幼い頃、乳母に抱かれて京都を離れ、武蔵国に流れ着きます。 16歳の頃、人食い熊を退治した功績で、熊谷郷の領主になりました。 そ