私たちが生きていること、つまり生命現象そのものが数多くの化学変化の集まりです。複雑ですが整然と見事に調和のとれた集まりです。化学は物質の学問で、物質の性質や構造、変化を調べ秘密を解き明かしていく学問です。 さまざまな物質は、この化学を土台に化学の技術で合成されているのです。私たちは、おびただしい数の化学の産物に、衣食住はもとよりどんな場所、どんなときでも、取り巻かれて生きています。 そんな時代に生きているのに、「私は文系だし、化学なんて社会にでたら使わないよ」「化学の知識なんて、化学の研究者や技術者になる人だけが学んでおけばいいんじゃないの?」という人がいます。しかしそれは違います。現代は誰にでも化学の知識と知恵が必要な時代なのです。その理由を3つ紹介しましょう [1]ニセ科学のカモになりやすい ニセ科学とは、科学の専門家から見て科学ではないのに、「科学っぽい装いをしている」もの、あるいは