東邦大学医学部の元准教授(52)が、国内外の専門誌に発表した193本の論文に捏造(ねつぞう)の疑いがあることが23日わかった。 日本麻酔科学会は調査特別委員会を設置、捏造の有無の調査を進めている。これほど多数の論文について不正が疑われるのは極めて異例。 論文は1991~2011年に発表され、内容は、麻酔薬を使った患者に対する吐き気止めの薬の効果などを調べたものだった。 東邦大によると、元准教授は、2005年から同大の麻酔科医師として勤務していたが、11年8月、元准教授の論文について「異なる臨床データに基づく別の論文なのに、患者数が同じなど不審な点がある」といった指摘が寄せられた。同大が元准教授に対して論文データの根拠を求めたところ、「既に処分した」などと説明、捏造は否定したという。