看板を掲げ、「独立」に向けた活動を行う「泗水をよくする会」(3月21日、熊本県菊池市泗水町で)=貞末ヒトミ撮影 田園風景が広がる熊本県菊池市の泗水(しすい)町。中心部を走る国道387号沿いに、壁に大きく「今、合併を見直すときです」と書かれたプレハブ小屋が立つ。合併した市から離脱し、町に戻ろうという全国でも異例の「独立運動」の拠点だ。 「『なぜ合併したのか』『だまされた』と住民からおしかりを受ける。合併を進めた一人としておわびしている」。最後の町長だった松岡一俊さん(71)は小屋のいすに座り、複雑な表情を見せた。 泗水町は2005年3月、菊池市、七城(しちじょう)町、旭志(きょくし)村と合併し、新菊池市となった。それを見直す動きは、合併協定書の最初のページに記された新庁舎建設の白紙撤回が引き金だった。 新庁舎は現庁舎(旧菊池市役所)より町寄りに建つ計画だった。だが、福村三男市長(71)は昨