熊本県などでの一連の地震で、被災した住宅を狙った空き巣などの犯罪が相次いでいる。義援金の募集を装った不審な電話もあり、警察や国民生活センターは注意を呼びかけている。 4月16日未明。停電で暗闇に包まれた熊本市中央区の住宅街。近くの公園に避難した女性(46)は、所有するアパートへ毛布を取りに戻ったところ、2階の窓から青白いライトの光がもれ、動くのに気づいた。本震から約2時間半後のことだ。 空室で物置にしている部屋だった。「おかしい」。階段を駆け上がった先に、小太りの男が立っていた。部屋からはもう1人、若い男。問いただすと、「助けて、って声がしたんで、中に入ったんです」。 「そこは誰もおらん! お前ら泥棒だろ!」 「違います、違います」 階段を下りる2人を、騒ぎに気づいた近隣住民ら数人が囲んだ。 「部屋に入っとったろうが。名前ば、はよ言え」 「何もしていません。とっていません」 押し問答が数分