インフォーマルケアコストが膨れ上がっている。慶応義塾大学が2015年に発表した厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 【補助金】 認知症対策総合研究「わが国における認知症の経済的影響に関する研究」を基にNBIL-5作成が作成)。 特に厄介なのがコスト全体の約4割を占めるインフォーマルケアコストだ。基本的に患者個人が治療を受ける通常の疾病とは異なり、認知症では周囲の協力が必要であるため、その結果、多くのインフォーマルケアコストを生み出している。認知症の予防が可能になれば、このインフォーマルケアコストも併せて削減できることになり、国民経済へのプラス効果が大きい。 2012年の調査では、日本の65歳以上の高齢者における認知症有病率は15%であり、有病者数は、約462万人と推計されている。認知症の前段階は軽度認知障害(MCI)と呼ばれ、適切な予防対策を行うことで、約26%が健常者に戻ると