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ブックマーク / toushirou.air-nifty.com (1)

  • シベリア抑留記

    帰還のために集結した港ナホトカでは、ソ連側の厳しい検査を予想したものの、あにはからんや、ソ連側からは何の検査も取り調べもなく、日人仲間の管理に任されていたようであった。最後の検査の時でも日人による服装検査で、それも惨めな服装で日へ帰ると、反ソ宣伝の材料になるとて、醜い服装は新品とはいかないまでも、こざっぱりとした服装に交換するのが目的であった。この時、私のほころびていた記念すべき上着は、取替えとなった。 いよいよ噂されていた通りの日に、乗船に向かって出発である。私達は踊る心を押し殺し、粛々と隊伍を組んで港に向かう。途中、右向こうに日兵によって建設中のレンガ造りのビルのような3、4階建ての建物が見える。仲間の話によると、ここ沿海州はほとんど地震が無いので、レンガ造りでも結構耐えられるとの事。そこには重いレンガを背負って、高い足場を上っている日兵の姿が、遠くからちょうど蟻が物を運

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