人間は不思議な生き物である。科学・技術の進歩によって物質文明を謳歌しているかと思えば、反対に精神世界(スピリチュアル)的なものを信じて、霊視占いの類に傾倒したりすることもあるのだから。 それは今に始まったことではなく、昔から霊的な存在を信じ、視霊者の占い、予言に耳を傾けてきた人は権力者から庶民まで幅広く、その伝説、記録は数知れない。 日本では霊が憑依することでそのお告げを知らせる口寄せ巫女がその代表であろう。だが、その一方で霊の存在の有無をめぐって議論が繰り広げられてきた。実は、流行好きの評論家や科学者だけではなく、名だたる真面目な哲学者までもがこの問題に取り組んできた。そこで、今回は秋の夜長談義として、霊視に関する哲学を紹介したい。 霊の存在が不思議なのは、一般人にはたいてい見えないばかりか、触ることも嗅ぐこともできないこと。 またどんな探知機にも反応しないわけで、はっきり言って科学的、