・癌治療線源盗難事例1:ゴイアニア事故 1987年9月,ブラジルのゴイアニア市で,廃院に放置されていたセシウム照射装置からセシウム(Cs-137)線源の入った回転照射体が2人の若者により取り外して持ち出されました。この段階から2人の放射線被ばくが始まり,2〜3日後から2人は下痢,目まいなどに悩まされ始めました。1週間後には線源容器に穴を開けることに成功し,この時点から放射能汚染が始まりました。ここで2人は線源を廃品回収業者に売却しました。業者は暗いガレージの中で線源の粉末が光っているのに気付き,家の中に運び込み,その後数日にわたって家族,親類,隣人が,これを眺め,手で触れ,体に塗ったりしました。作業人とその家族全員の体の調子が次第に悪くなり,その内の1人が青白い粉に原因があると思い,ゴイアニア公衆衛生局に届けました。セシウム(Cs-137)は極めて水に溶けやすく散らばりやすいため,汚染地域