コラム:編集委員の独り言… 「現場の失敗と対策」編集委員が現場や研究の中で感じた思いや、 技術者に関わる情報を綴っています。 「ほんの少しの量の砂糖でもコンクリートは固まらなくなり、その量が増えると急に固まったりする面白い性質がある。」これは山田順治先生が書かれた本1)の一節であり、これに関するエピソードが2つ載っている。一つは米国での例で、コンクリートミキサー車には砂糖の入った袋を持たせておき、道路事情やミキサー車の故障などで運搬している生コンが硬化し始めた時、運搬車に生コンが張り付かぬよう砂糖を混ぜるそうである。もちろんコンクリートは工場へ持ち帰る。もう一つは埠頭の砂糖倉庫と荷受け桟橋の間をコンクリート舗装した時、桟橋と倉庫の間を行き来する作業員のために歩み板を2列渡したのだが、その両側のコンクリートが点々と固まらなかったという。原因は通路を渡る作業員の衣服に着いていた砂糖がこぼれたと