20世紀の二つの世界大戦に挟まれた時代、日本は帝国主義的な外交路線から国際協調路線に基づく新外交への道を模索していた。第1次大戦後の国際社会と日本外交を解説する。 第1次世界大戦後から1920年代の日本は、それまでの帝国主義的な外交路線を転換し、世界的軍縮の流れに沿い国際協調に努めるとともに、中国に対する内政不干渉政策を追求した。これは不利になった国際環境のもとで日本が追い込まれた結果であるというイメージがあるが、それは日本なりの新外交への対応であったことを述べたい。 第1次世界大戦が積極化させた自立的“対中外交” 今からちょうど百年前の第1次世界大戦の勃発は、日本の対外政策、特に東アジア政策に大きな影響を与えた。1912年の清王朝の崩壊以後、中国の混乱が始まり、日本の中国政策は積極化、かつ多様化した(「辛亥革命が日本政治に及ぼした影響」)からである。しかし諸列強間の利害対立が激しい環境下
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