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先月号で触れたように、翻訳格付けを近くはじめようと考えている。時間がとれない状況が続いているので、格付けを発表するまでにはなってい ないが、準備はある程度進めている。そのひとつとして、今回は翻訳格付けの方法について考えていくことにしたい。 本来なら、翻訳格付けの基準やその根拠を確立したうえで、個々の作品や翻訳家に格付けをつけていくべきなのかもしれない。だが、翻訳の質はおそらく、客 観的な判断基準にしたがって判断できるようなものではない。たとえば、数量的な分析で客観的な点数がつくようなものではない。というよりも、客観的な判断 がむずかしいからこそ、格付けが必要になるのだ。だから、翻訳の質を判断する論理的で体系的な方法が確立できるとは思えない。 そうはいっても、「わたしが好きな翻訳」を紹介しようというわけではない。そんなものに興味をもってくれる読者がいるとは思えない。翻訳の質の判断とい う
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