http://d.hatena.ne.jp/kuzan/20070513/1179060253 今ごろになって「稲生物怪録」が「ぶっかい」か「もののけ」かでこの辺で議論になっている。別にこんなことで熱くなったり慌てたりする必要はないので、ちゃんと議論すればよろしい。 さて、『国書総目録』には「ぶっかいろく」とあるが、確かに『国書』は、毎ページに間違いがあると言われているから、これを信用できないとするのも一つの立場である。田中貴子『鏡花と怪異』240pに「物怪」が「もののけ」と読めないことはすでに森正人の指摘がある、とあるのだが、ここに注も、森論文のありかも示されていない。巻末の参考文献表にもない。これは困る。読者に、国文学論文データベースかCiniiで検索しろと言うのか。恐らく熊本大学『国語国文学』に載っているものだろうが、これは中古・中世の「物怪」についてのものだから、近世には適用できな