ようするに、おれたちは、ホンモノの食べ物なんてひとつとして口にしちゃいないのだ。 本書は、最近報道が絶えない「食品偽装」問題について、著者の身の安否が気遣われてしまうほどに一切合切暴いている、まさに「ブラック」な一冊である。タイトルは「魚」にフォーカスされているけれど、肉、野菜、米とほぼ食全般をフォローしている。 あの『マンガ嫌韓流』の版元ということで、キワモノと決めつけられているフシのある晋遊社ブラック新書だが、新書後発組としてはなかなかの健闘ぶりを示している(といってもまだ3冊目ですが)。 出版社のブランドイメージで本を判断する人って意外と多いのだけれど、中身を書くのは出版社じゃないですからね。最終的には著者次第、創刊ラインナップの多根清史『プレステ3はなぜ失敗したのか?』も生真面目な佳作だったし、本書も、扇情的なトーンはあるものの、著者のこれまでの仕事、および食に対する真摯さと造詣の