東京大名誉教授の大内力さん 日本の代表的なマルクス経済学者で東大名誉教授の大内力(おおうち・つとむ)さんが、18日午後5時32分、肺炎のため死去した。90歳だった。葬儀は親族で営まれた。 戦後日本の革新勢力の理論的指導者となった大内兵衛氏の長男。47年に東大社会科学研究所助教授になり、60年、同経済学部教授。 マルクス経済学の立場から、農業問題をはじめ経済原論、社会主義経済論など幅広い分野で研究活動をした。とくに、宇野弘蔵氏の理論をもとに、日本農業の特質を世界史的な観点から分析した業績は高い評価を受けた。 東大退官後は信州大、大東文化大の各教授を務めたほか、農政審議会、中央職業安定審議会、雇用審議会などの政府審議会委員も歴任した。82年に日本学士院会員。 89年の「ベルリンの壁」崩壊に端を発した社会主義国家の崩壊に際しても「マルクス経済学は資本主義分析の学問。社会主義国崩壊とは直