2013年1月10日のブックマーク (2件)

  • OBD - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ

    夏のある日のマクドナルド、隣の中学生の女の人たちは二人とも話すことがなくなってしまって、テーブルに突っ伏して捧げるように両手で持った携帯をいじってはハイヒールで歩くみたいな音を立て始めている。そんな姿を見ていたら、この先に横たわる毎日を退屈に思うのは当たり前だ。 その奥で、OBドラゴンがいらなくなったトレイを片付け終えてこちらを振り向いた。両方の壁際にまばらに並んだ、誰もが自分のために丸めている色とりどりの背中。その間を抜けて、やってくる。OBドラゴンがやってくる。 「保くん、これで拭くんだ」 気づけば、だいぶ軽くなった僕のコーラは汗をかいてはしたなくテーブルを濡らしていた。まして僕の肘はそれを吸ってだらしなく湿って冷たい。 「うん、ありがとう……」 渡された紙ナプキンで散らばった水滴を拭くと、すぐに指先がしめって不愉快だ。OBドラゴンのホットコーヒーは買った時と変わらず、おかわり自由なの

    OBD - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ
    needpink
    needpink 2013/01/10
    サリンジャーみたい。素晴らしい。
  • 大人になれば - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ

    ただ、恋人と腕を組んで歩いている、というそれだけの理由で、おちつきはらってあたりを見回していた少女。 フランツ・カフカ 自信を持つのは良いことだ。いつかパパがお風呂で言った。湯船の中、私はパパと同じ方を向いて足の間に収まり、その言葉を聞いていた。どうしてそんな話になったのか、何を思ったかは覚えていない。ただ、双子の島のように浮いたパパの両膝の上に腕をのせて、私はひどく落ち着いた気分でちょっとのけぞり、今と同じく肩ほどまでの髪をお湯の中に浸してのさばらせていた。優しくぬくい温度が硬い骨に守られた考え事を包み込み、毛穴を開いて忍び込む。きっとそこで頭の中がとろけてしまい、悪いことから順番に、耳の穴から抜けていく。そんなふうに感じていた。 だから私はいやなことがあると、同じように重たく鈍い頭を浸した。誰かに意地悪された日も、先生に怒られた時も、ミリが白血病で死んだ日も。そんなことしてすぐにけろり

    大人になれば - ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ