「非正規社員を正社員化せよ」との声が高まるなか、広島の電鉄会社が、全契約社員を正規雇用することで労組と仮合意した。全社員の賃金体系が一本化され、契約社員の待遇は改善される一方、一部のベテラン社員には「賃下げ」を迫ることになる。通常であれば、労組は賃下げには猛反発するものだが、今回は、この条件を「飲む」ことができる背景があったようなのだ。 正社員化で昇給が可能になり、退職金も 広島市などで路面電車を運行していることで有名な広島電鉄(広島市)の労働組合「私鉄中国地方労働組合」は2009年3月25日、全契約社員を正社員化することで会社側と仮合意した、と発表した。 組合側によると、00年、バスや電車の運転士などの現業職に、1年ごとに雇用契約を更新する契約社員制度が導入され、翌01年からは、現業職については契約社員しか採用していない。全部で約1300人いる従業員のうち、約150人が契約社員だ。月額賃