文化人のサロンが発祥だったはずなのに、どうして「不純」な店が増えてしまったのでしょうか? 日本の喫茶店の歴史を紹介しつつ、その経緯を読み解いていきます。 日本最初の喫茶店「可否茶館」は経営不振で4年で閉店 まずは、日本に喫茶店が生まれた頃の話を。 通説として「日本最初の喫茶店」とされているのは、1888(明治21)年に東京・上野に誕生した「可否茶館」です。(読み方は「カヒサカン」「カヒチャカン」「コーヒーサカン」など諸説あり) 「通説として」と書いたのは、可否茶館以前にもコーヒーを提供した店が存在したこと、また設備の内容から喫茶店と呼べるのか? と疑問を持つ研究者もいることからです。(※この記事の論点は「日本最初の喫茶店はどこか」ではないので、これ以上は掘り下げず話を先に進めます) 可否茶館の跡地に立つ記念碑 創業者は、鄭永慶(ていえいけい)氏(日本人)。海外生活が長かった鄭永慶氏は、「知
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