あれは運動量保存則を習った時だろうか。質量と速度の積は一定であるというヤツだ。慣性で運動している台車がある。その台車に上からポンと荷物を乗せる。運動量は保存されるから質量が増えたぶんだけ速度は落ちる。ここまではいい。 乗せた荷物をヒョイっと取り去れば台車は最初の速度で走り始めるだろうか？質量がもとに戻ったのだから速度ももとに戻るはずではないか？しかし乗せた荷物を取り去るだけで台車の速度が上がるなんてことはありそうにない。 一人でいろいろ考えたのだがどうしてもうまく説明が付けられず、周りの友人にも尋ねたが分からなかった。しょうがないので物理の先生に質問してみた。答えはこういうことだった。荷物は台車に乗った時点で台車から運動量をもらってるのだから、荷物を取り去るときにその運動量の分を台車に返し、台車を前方に蹴り出せば、その通りになる(台車の速度は上がる)、と。