8日発表された1月の経常収支は4373億円の赤字となり、比較可能な1985年以降で最大の赤字になった。これは貿易・サービス収支が1兆4747億円の赤字と、前年同月比で1兆円近く落ち込んだ影響が大きい。これには季節的な要因もあるが、欧州の経済危機や円高で輸出が大きく減少し、原発の停止でLNG(液化天然ガス)の輸入が大幅に増えた。 日本は「輸出立国」というイメージがあるが、貿易収支の赤字はそれほど珍しいことではない。特に昨年の東日本大震災以降は、ほぼ毎月のように貿易赤字が続き、図のように昨年は通年で初めて赤字になった。それ以前も、最近は貿易収支より所得収支(海外の子会社や証券からの収益)の黒字のほうが大きいのだ。 これは日本の集中豪雨的な輸出が世界を震え上がらせた1980年代と比べると、対照的だ。当時は所得収支(貿易外収支と呼んでいた)はきわめて小さかったのだが、2000年代のなかばから逆転し
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