日本とオーストラリアが官民共同で実施してきた石炭火力発電のCO2回収・貯留プロジェクトが成果を実証して完了した。世界で初めてCO2を液化して回収する装置を長時間にわたって運転できたことに加えて、回収したCO2をオーストラリア国内の地下に貯留する試験にも成功した。 CO2を回収・貯留する「CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)」は将来の石炭火力発電に欠かせない重要な取り組みである。日本とオーストラリアの官民共同事業として2008年に始まった「カライド(Callide)酸素燃焼プロジェクト」が成果を挙げて2015年2月末に完了した。 このプロジェクトはオーストラリアの東部で運転中の「カライドA発電所」の設備を改造して、最先端のCCSを実証する事業である(図1)。カライドA発電所は出力3万kWの石炭火力発電設備1基で稼働している。