「理科離れ」が深刻な問題と認識されている。「理科離れ」の危機感を煽る人々の背後には、予算枠拡大を目論む理系研究者や技術者を求める産業界の思惑もある。そのために額面通りに受け止めることはナイーブであるが、高度成長期の少年ほどに現代人が科学技術にワクワクしなくなったことは確かである。 このような状況に対し、サイエンスライターの川口友万氏は「サイエンスにもっと笑いを」をモットーに活動している。川口氏の新刊『あぶない科学実験 リアルライトセーバーからエアバズーカ、光るピクルスまで』(彩図社、2010年)では、身近な材料を利用して、爆発や炎上などワクワク感のある科学実験を行っている。例えば備長炭を放電させて映画『スターウォーズ』のライトセーバーのようにする実験などである。 実際にインパクトのある科学実験を行いたい人にとって本書はハウツー本になるが、本書の醍醐味は失敗の記録も書かれている点にある。実際