欧米では含有量の表示義務や上限値が設定されている食物中に含まれる「トランス脂肪酸」という物質。日本では消費者庁が食品業界に対する任意表示のルールをまとめたばかり。いったいどんな食品の食べ過ぎに注意するべきなのか。 【心臓病が増加の要因】 トランス脂肪酸については、デンマーク、スイス、オーストリアでは含有量の制限を設け、米国やカナダ、フランス、韓国、台湾では表示が義務。米ニューヨーク市にいたっては飲食店に対し、実質的な使用全面禁止だ。 なぜ、そこまで警戒されているのか。 トランス脂肪酸がもたらす健康への悪影響について、国立健康・栄養研究所・基礎栄養部の江崎治部長は「摂り過ぎるとLDL(悪玉)コレステロールが増加し、HDL(善玉)コレステロールが減少する。また、血管の動脈硬化を進める慢性炎症との関連も指摘されています」と説明する。 そのため過剰摂取は、心筋梗塞のような冠動脈性心疾患、