定期接種と任意接種のちがいというのは,医療行政的なタテマエとしては,対象となる感染症の重症度やワクチンの有効性によるもので,要するに必要性が高いからということになっていますが,現実には必ずしも公衆衛生学的な必要性だけでなく,医療行政の遅れ,有害事象に対する非難(に対する責任回避),そしておそらくは予算上の制約といった要因が絡んでいるように思われます。じっさいWHOで勧奨されているワクチンが日本では定期接種の対象外という事実もあります。 とは言っても「必要性に応じて」が公式な見解である以上,ワクチンを受ける側からすれば任意接種イコール必要性が低い,という認識になってしまいます。そうした状況で予防接種を受けず,感染症によって命を失ったり,後遺症を残したりするケースがあるのは何ともやりきれない思いがします。あくまで確率論なので,ワクチンを受けていれば必ず助かったのかとまで言い切ることはできないと