評論家・宇野常寛氏(@wakusei2nd)の新著『母性のディストピア』が話題を呼んでいる。 宇野氏による近著『母性のディストピア』(集英社/2017) (画像はPLANETS/第二次惑星開発委員会より) 情報番組「スッキリ!」のコメンテーターや政治番組への出演など、最近はテレビで見かけることも多かった氏だが、元々はゲームを含む様々なサブカルチャーを横断する鋭い批評活動で脚光を浴びた書き手でもある。 そんな氏の久々の新著は、宮崎駿、富野由悠季、押井守といった戦後アニメーションの巨匠たちに対して、いわば通常の文芸批評が三島由紀夫や村上春樹にやるようにして、作品読解から社会批評へと繋げていくもの。江藤淳や吉本隆明などの「正統派」の文芸批評の成果を下敷きに、「政治と文学」の観点から戦後アニメーションを論じてみせた非常に野心的な内容だ。 ところが、そんなアニメーションを論じた本が、終盤になると大き