一番下のボタンを留めないことについては、巨匠、サー・ハーディ・エイミスの著書の中に次のような記述があります。 「・・・ジャケットの前裾は真ん中のボタン辺りから斜めにカットされ (スーツの生みの親とも言える、乗馬服と後のモーニングコートのラインにならって)、 一番下のボタンを留める事はなかった。・・・」 本来のスーツのカッティングはウエストライン上のボタン(2つボタンでは上のボタン、3つボタンでは真ん中のボタン)から下は裾に向かってわずかに緩やかに広がっており、一番下のボタンを留めてしまうと無理な皺がよってしまいます。 もともと一番下のボタンは留める事を想定していないのです。 ただし最近のスーツではこの裾に向かって緩やかなカーブを描くカッティングをしていないスーツも多いようです。 さらに最近の傾向としてボタンを全部留めてしまう着こなし方も流行の兆しがあります(TVや雑誌などでも全部留めている