今回からこのコラムでは「通訳を使いこなすテクニック」をシリーズで取り上げていきます。 ◇通訳がメモと記憶で訳すことができる時間は30秒が目安 ◇「同時通訳」と「逐次通訳」とではどちらが難しい? ◇いい通訳を見つける方法、プロの通訳かどうかを見る判断基準 ◇話し手が注意すべきポイント 以上のようなテーマを取り上げていきます。 海外視察で企業訪問や工場見学の場面を想定してください。仕事がら日本のお客様をご案内して台湾や中国で企業訪問をすることが多いのですが、そんなときにつくづく感じるのは日本側が通訳者を十分に使いこなせていないということです。ずばり言うと通訳の使い方が下手です。通訳者の能力を十分に引き出せるかどうかという以前に、通訳を使う基本の基本をわかっていない方もいます。話し手が注意すべきポイントは、第一に話の長さ(通訳との間合い)、第二に話のポイント(結論を明確に)、第三に話し手の余裕(