「博士がタダで教えます」--。博士号を取得したものの常勤職が見つからないポストドクター(ポスドク)を、京都大が全国の小中高校に出前講座の講師として無料派遣する。大学のPRとポスドクのキャリアアップという一石二鳥を狙う。 京大に在籍するポスドクは約1100人(06年度)。大学や研究所など常勤の研究職に就けないポスドクは全国で1万6000人以上おり、就職難が問題化している。 京大が優秀な頭脳の「宝の持ち腐れ」を少しでも解消しようと計画。子供たちに分かりやすい言葉で講義することが必要なことから、若手研究者のプレゼンテーション能力が鍛えられる上、優秀な後輩を引き寄せる効果も期待している。 出前受け付けは31日まで(一部講座は既に終了)。派遣期間は9月初旬~11月6日。京大キャンパスで開く講座もあり、京大教育推進部は「修学旅行の日程に組み込むこともできる」としている。研究者の旅費を含め、小中高校側の