3月22〜23日の2日間、夏葉社の島田さんと一緒に山高登さんのお宅に伺い、山高さんが生前蒐められた本を引き取りました。自作の木版画をあしらったその装幀に長年惹かれてきた者として、買い取りのお話をいただいたときから地に足がつかない感じでしたが、当日はまさに夢心地で。その装幀を通して想像していた山高さんの嗜好が膨大な蔵書として目の前に現れ、作品となったのものの奥にはこれだけ多様な本があったのだと感銘を受けました。 作業を始めてまず気づいたのは東京についての本が大量にあることでした。写真集、画集、図面、随筆、探訪記、観光案内など、タイトルに「東京」という文字が含まれるものだけでなく、『考現學採集』や『清水建設百五十年』といった隠れ東京本も次々と。淀橋町十二社で生まれ育った山高さんのわが町東京への愛着、失われていった町並みや建物への懐旧の情が伝わってきます。 同じぐらいたくさんあったのはやはり絵に