夏の終わりの、季節の変わり目を感じる一陣の涼風に、なぜかふと、Yちゃんのことを思い出した。 Yちゃんは私が大学1年の時に初めて家庭教師をした女の子だ。彼女はその時中二だった。 やせっぽちでボーイッシュなショートカットで目が細く、いわゆる目のくりくりしたかわいい女の子といったタイプとは対極な感じだった。 彼女は口数が極端に少なく、目を合わせずニコリとも笑わない。 緊張してるのかもしれないけど、あまり好かれてないのかもな…と思うと、バイトに行くのもしばらくはちょっと億劫だった。 彼女は片親で、母親は有名私大出で、司法書士だか行政書士だか公認会計士だか忘れたが、そんな感じの仕事をするバリキャリだった。 一方で、彼女のお兄さんは引きこもり、彼女自身も、ごく普通の公立中学内であまり成績が良くない方だった。 お母さんが「この子を有名大学に入れて下さい!」といった気合の入った感じではなかったので、私はゆ