JR九州の豪華寝台列車「ななつ星」が人気を集める中、今年から北海道庁が豪華寝台列車をつくれないか検討を始める。なぜJRではなく、自治体なのか。はたして実現する可能性はあるのか。 北海道の高橋はるみ知事は2015年度補正予算に、豪華寝台列車の調査費800万円を盛り込んだ。きっかけは、「北海道でも『ななつ星』のようなものをつくれないか」という道東・道北地方の五つの町村会(計68町村)の要望だった。 3月26日、長年「道民の悲願」と言われてきた北海道新幹線が新函館北斗駅まで開業する。しかし、函館と道東・道北地方は、300キロ以上離れている。函館―札幌はJRの特急で最短3時間半。道東の釧路まではさらに4時間、道北の稚内には5時間以上かかる。北海道新幹線は15年後に札幌まで延伸する予定だが、道東・道北は「最後まで新幹線の光が当たらない」(道幹部)地域だ。 提案者の一人、釧路町村会長の棚野孝夫・白糠(