春のある日 腹をくくる 支給を受ける 生活保護を申請したという男性が、手記を書いてくれました。ハンドルネーム「たぬ吉」さん。33歳。生活保護には、いろんなイメージがあります。不正受給や「働かずに楽をしている」といった悪いイメージをもつ人も、少なくありません。実際に申請する人の事情はそれぞれ多様ではありますが、ひとつの例をご紹介します。(朝日新聞デジタル編集部記者・原田朱美) たぬ吉さんは、東京都八王子市在住です。 生活保護をなぜ申請したのか。どういう気持ちで申請したのか。 ここから、彼の文章です。 春のある日 ひい、ふう、みい。 財布の中身をベッドの上に並べてみると、そこには折目のついた3枚の千円札と、鈍く光る小銭が数枚あった。銀行にいくらか記憶違いで入ってないだろうかと、祈るような気持ちでATMまで行ってみたけれど、表示された残高はたったの数百円。家に貯金箱なんてものは存在しないので、紛
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