定期的に「日本人・日本語はハイコンテクスト文化だ。一方、○○人はローコンテクスト文化だ」という紋切り型の主張がメディアやSNSで流れてくるが、誤解に基づいていることも多いので、おかしな点を指摘したい。巷の誤解には、深刻なものから重箱の隅をつついて初めて出てくるものまで指摘し始めたらキリがないが、この記事では重要な誤解4点にフォーカスしたい。 ハイ/ロー・コンテクスト文化とは ハイ/ロー・コンテクスト文化という概念は、もともとはエドワード・ホールという文化人類学者が1970年代に提唱したもので、いまでは提唱者の手を離れ、様々な研究者や、評論家、コンサル、セミナー講師などが使っている。 ここでいう「コンテクスト」(文脈)とは、一言で言うと、言語外の情報のことである。ハイコンテクストとは、言語以外の情報の重視度がハイ(高い)である、つまり、メッセージを伝達する際に言語以外の要素を重視するコミュニ