地道に努力をすれば、せめて自分の親と同じくらいには落ち着いた生活を送れる大人になれると思っていたのに、気付けば色々なことがうまくいっていない。そんなわだかまりを抱えさせられた30~40代の就職氷河期世代に対し、まだやり直せるという期待をこめて「しくじり世代」と名付けたのは、近著『ルポ 京アニを燃やした男』が話題の日野百草氏。日野氏が今回、取り上げるのは、地元の図書館で非正規の司書として働く43歳男性だ。大学卒業後、本に関わる仕事をしたいと様々な職を経ながら、一貫して学歴にこだわる43歳の本音をレポートする。 * * * 「僕は大学受験の勝者だったはずです。いまの時代に生まれてたら大企業も公務員も思うがままのはずだったのに、生まれた時代だけでこんな目に遭うのってあんまりじゃないですか?」 君野直也さん(仮名・43歳)は酔いが回ってきたのか、いい感じに愚痴りだした。新宿の筆者が贔屓にする飲み屋
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