チコもそうだったけれど、彼女ともずいぶん長く一緒に旅をしてきた。それが、終わってしまった。長くて短い旅だった。 幼な時から運動能力の高い子だった。お隣の家の天井裏に、鶏の餌についてしまったクマネズミ集団が巣食った時には、公陳丸、チコたちと共に、マウスバスターズに参加して、殲滅させて、感謝状が来た。「うちの子にならない」ってその家の方からトレードの話まで来た。 よそ様の家に勝手に押しかけて、勝手に狩りをしていたわけだが、そういうことが可能だった世界が、彼らの共同テリトリーとなった圃場周辺のエリアでは、維持されていたのだ。本当に、泡沫の夢。今では、創作でもあまり見ないファンタジーのようだった。 ずっと来た時から、健康体だったけれど、去年の8月から、焦点発作またはミオクローヌスを発症して、癲癇様の発作を時々起こすようになっていた。ナッチが脳腫瘍的なトラブルを契機に障害が発症し、一生を終えたので、