豊橋技術科学大学 電気・電子工学系 超電導工学研究室 第1章 熱力学と速度論 1-4 表面エネルギー 1-4-1 表面エネルギーとは ここまで平衡状態の評価に際して系の自由エネルギーを考えるにあたっては、相と相との境界の効果については特に考えていませんでした。現実にいくつかの相が平衡状態にある場合には、異なる相同士が接する境界面が生じます。このような境界面のことを界面と呼びます。 いま固相(結晶相)と液相や気相との界面を考えます。このような結晶界面の原子には、結晶内部の原子に比べ、結合していない結合手(ダングリングボンド)や結晶構造の乱れなどが存在します。右図の例でいえば、結晶内部の緑の原子では、そのまわりの6つの原子と結合しています。それに対し、ピンク色の表面原子では、そのまわりの4つの原子とは結合していますが、外側の2つの結合手は結合相手がなく、同様に表面に乗った赤い原子では、表面