高校生のころに美術や映画に興味を持ち、大学では特に映画を、作り手としてではなく評論する立場で勉強したいと考えていました。ところが、それができる大学は意外と少なく、そのひとつが上智大学の文学部 新聞学科でした。マスコミ方面への就職を希望する学生が多い学科でしたが、僕自身は当時、マスコミへの就職は考えていませんでした。 新聞学科は、幅広く知識を身につけられる環境で、当時は他学部・学科の授業も履修することができました。僕は貧乏性なので、受けられる授業は受けなきゃ損だと履修しまくり(笑)、結果、2年間で卒業に必要な単位はほぼ取得してしまったんです。 その中には「バロックの文学と芸術」など印象的な講義がいくつかあり、僕の興味は美術史のほうに移っていました。調べてみるとオーストリアのザルツブルグに提携校のカレッジがあり、単位を交換できるため、1年間留学しても留年せずに卒業できることがわかりました。そこ