経済協力開発機構(OECD)が発表した「対日経済審査報告書」で引用され、2006年7月に日本の格差拡大を示すデータとして日本のマスコミにも紹介された相対的貧困率のデータをかかげた(厳密には「対日経済審査報告書」で示されたデータとは異なるが同じ概念のデータである)。 相対的貧困率とは中位水準の所得の半分以下で暮らす人々の割合を示す貧困指標である。世界で一番貧しい大統領と呼ばれるウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカ氏によると「貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に多くを必要とし、もっともっとと欲しがることです」(大統領在任中の2012年国連リオ会議での発言、東京新聞2016.4.7)。相対的貧困率とはこうした貧困概念にそった指標であるといえる。 相対的貧困率という概念そのものに積極的な意味を見出せなかったのでこれまで図録化して来なかったデータであるが、新聞や啓蒙書(例えば橘木俊詔「格差社