前の記事で死刑廃止は世界の流れだと書いたが、果たして本当にそう言えるのだろうか。少し疑念がある。イスラム教の国々がその流れに乗っていない点が引っ掛かるからである。基本的にヨーロッパを中心とする先進諸国、近代西欧文明、キリスト教文明が支配的な国々で死刑廃止の流れが主流になっている。最近、テレビで「イスラム法学者」なる人物の映像が出る機会があり、興味深く見入ってしまうが、昔の大学にはイスラム法の講義ができる教官がいなかった。どのような法律体系と裁判制度があり、その基礎にある法哲学は我々の人権思想とどう違うのだろう。この三年ほど、特にNHKがイスラムの社会思想や価値規範について内在的に紹介してくれていて、NHKの人間はイスラムへの理解が深い。嘗ての中国研究と同じほど精力的にイスラムの文化を研究している。ニヶ月ほど前に「世界遺産」の番組でカイロの特集を放送していて、そこで喜捨(サダカ)の習慣が印象
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