欧州連合(EU)は16日の財務相会合で、国内総生産(GDP)に対する財政赤字の割合を3年で3%以下に削減するギリシャの財政再建計画を承認した。 だが、ユーロ圏GDPのわずか2・5%を占めるだけのギリシャの財政問題が、通貨ユーロや世界の株式市場を揺さぶる事態は収まっておらず、火種はくすぶったままだ。(ロンドン 是枝智) EUは、ギリシャに圧力をかけながら計画達成を迫る考えだ。手始めとして、3月16日の次回財務相会合に、財政赤字のGDP比を09年の12・7%から、10年に8・7%以下に圧縮するための行程表の提出を求めた。ただ、「取り組みは不十分」との見方が早くも出ており、ユーロ防衛のため追加増税などを迫る可能性が高い。 強硬姿勢の背景にあるのは、財政悪化を長年放置してきたギリシャへの不信感だ。EU加盟国に定められた「財政赤字をGDPの3%以下にする」との協定を守る努力を怠ったとの批判が強いこと