来る10月23日に拙著『哲学トレーニングブック――考えることが自由に至るために』(平凡社、2020年)が公刊されます。私のnoteの文章を書籍化するものです。2014年に千葉雅也さんが彼のtwitterの文章を書籍化して『別のしかたで』(河出書房新社)をものしましたが、哲学のnoteが本になるのは今回が初めてなのではないかと思います。noteにもいろいろなポテンシャルがある、ということでしょう。 今回の本のテーマは〈読むこと〉です。多くの哲学書は容易に読みこなせるものでないですが、その理由をひとつ挙げれば《そこで何が言われているかを理解するために、話の筋道の積極的な投げ入れ――読者の側が能動的に筋を読み取ること――が必要になるからだ》と言えます。拙著は、多数の哲学者・思想家の文章を取り上げ、それを読むことに取り組みます。それは《哲学書をいかに読むか》の実践的な実例集になるでしょう。同書が『