2021年12月1日のブックマーク (1件)

  • あの女性監督の新境地。『パワー・オブ・ザ・ドッグ』|THE NIKKEI MAGAZINE

    男社会におけるマッチョイズムの闇を女性監督がひも解くジェーン・カンピオンの12年ぶりの長編『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は、とてつもなくパワフルな映画だ。作は、今年(2021年)の第78回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、監督賞(銀獅子賞)を受賞したが、個人的には最高賞の金獅子賞に値するほどの傑作だと思う。英国のロマン主義の詩人ジョン・キーツの伝記映画『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』(09年)後、脚・監督・製作総指揮を務めていたテレビシリーズ『トップ・オブ・ザ・レイク』に集中していたカンピオンが、スクリーンに戻ってくるきっかけとなったのが、継母から勧められたトーマス・サヴェージの小説『パワー・オブ・ザ・ドッグ』だった。 舞台は、1920年代のモンタナ州の町から離れた牧場である。農場主は、フィルとジョージというバーバンク兄弟。東部の名家だったバーバンク家だが

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