皇太子さまと話す日下紗矢子さん=23日、ベルリンの日本大使公邸、小川智撮影 日本との交流150周年を迎えたドイツ。音楽を通じた日本とのつながりは深く、当地では東日本大震災の支援コンサートも多く開かれた。その中に、“16年前の記憶”を胸に、支援を呼びかけた日本人バイオリニストがいた。 兵庫県出身の日下紗矢子さん(32)。2006年にドイツに渡り、3年前から名門ベルリン・コンチェルトハウス管弦楽団で第1コンサートマスターを務めている。 今回の震災は当日の朝、リハーサル中に楽団の仲間から知らされた。インターネットのニュースを見た。津波が家や車を次々のみこんでいた。「またも遠くで……」。あのときの記憶が、よみがえった。 1995年1月17日、故郷を大地震が襲った。日下さんは東京の高校に通っていて無事だったが、両親と祖父母は、暮らしていた兵庫県芦屋市の家が被災し、避難所暮らしを余儀なくされた