井上真央さん NHKの連続テレビ小説「おひさま」の初回の放送日。本紙「試写室」で「小さな感動が積み重なり、3・11後の日本を温かく包む予感がする」と書いた。物語が中盤に入り、予感は実感に変わった。激動の時代を生きる「普通の人たち」の泣き笑いへの共感は、日々広がっている。 ヒロイン「太陽の陽子」は、「おひさまのような笑顔で周囲を明るく照らし続ける」役どころ。その本質を「受け身」と表現する。「朝ドラらしい元気で前向きな人は、(親友の)育子さんや真知子さんのように周りにたくさんいる。陽子はその人たちと笑ったり泣いたり、喜んだり、悲しんだり。珍しいですよね。いい意味で太陽のイメージが変わりました」 脚本の岡田惠和が描く人物像を、「だれもがすごく可愛くて魅力的」だという。その一人ひとりの魅力が際立つのも、思いを受け止めるヒロインの細やかな感情表現があってこそだろう。 物語はいま、敗戦に向かう