自然災害に限らず、われわれの日常にはあらゆるリスクが存在する。それらに対して備えることもできたのに、問題が起こった際に「想定外」では、いくらなんでもお粗末過ぎるのではないだろうか。 東日本大震災では多くの人命が奪われた。これに対して行政や専門家らは、「想定外の地震と津波に襲われたため、被害が拡大した」との見解を示した。「しかし私にはこの『想定外』という言葉が、『想定の範囲を超える自然災害だったのだから、仕方がない』という責任逃れのための免罪符として使われているように感じられてなりません」―― 本書「想定外を想定せよ」は、起きてしまった失敗をポジティブに生かすための学問、「失敗学」を創出した東京大学名誉教授、畑村洋太郎氏が、今回の地震・津波による「甚大な人命被害は本当に防げなかったのか」「そもそも想定外とはどんなことを指すのか」を分析した作品である。氏は2002年に特定非営利活動法人「失敗学
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