藤宮周(あまね)の住むマンションの隣には、学校でも一番の人気を誇る愛らしい天使が居る。 天使と呼ばれる程の美貌を持った優秀な少女――椎名真昼と、特に目立つこともない普通の生徒である周は、隣人といえど今までもこれからも関わる事もないと、思っていた。 雨の中、ずぶ濡れになった天使と出会うまでは。 「借りは返します。ところで、お部屋片付けた方がいいですよ。ひどい有り様でした」 「余計なお世話だ」 傘を押し付けたことから始まる、ちょっと言葉がきびしい天使様との関係。 風邪を引いてしまい看病してもらったり、不摂生をとがめられご飯を作ってもらったり、共同作業(部屋のお掃除)をしたり、二人でお出かけしてしまったり。 最初は素っ気なかったものの次第に甘えるようになる真昼と、最初はめんどくさがりの事なかれ主義だったのにいつしか懐に入れてしまうようになった周。 これは、素直ではない二人の歩み寄りのお話。 ※G