日本の繁栄は、10年前に用意されていた ~10年後の世界と日本を読む(後編)~ 双日総合研究所取締役副所長、主任エコノミスト 吉崎 達彦 氏 1月24日(火)、東京・虎ノ門の日本財団ビル「バウ・ルーム」において、「10年後の世界と日本」と題した講演が開かれた。講師は双日総合研究所副所長の吉崎達彦氏である。最近様々なメディアで活躍中の新進気鋭のエコノミストは、縦横無尽に日本と世界の予測されるシナリオを語った。 今回は、10年後を考えるときのもう1つのヒントとして、今から10年前を振り返り、そこから考える方法を吉崎氏は説明する。 いまから10年前といえば、「失われた10年」と呼ばれた1990年代のまっただなかである。だが、ちょうど10年前に当たる1996年を、吉崎氏は「実に興味深い年」と見る。 現在の日本に横たわる諸問題の原因も、そしてその解決法も、1996年という年に隠さ